2021/03/16
BSEにかかった牛を食べることは「クロイツフェルト・ヤコブ病」という脳がスポンジ状になる病気の原因になると考えられています。
食品安全委員会のリスク評価では、日本国内において、BSE感染牛が原因でヤコブ病にかかる危険性は、「無視できる~非常に低い」とされています。
しかし、この評価は、全頭検査のおかげではありません。
BSEのリスクが非常に低いのは、以下のような理由によります。
現在、BSEのリスクを減らす対策として重要視されているのは特定危険部位の完全な除去と飼料の規制です。
そもそも全頭検査を行ったのはどのくらいの牛がBSEに感染しているのかを把握するためで、それが安全確保のためだと政治家や消費者に誤解され、現在に至っています。
国では2005年に検査対象を21か月齢以上に改めましたが、これは若い牛はたとえBSEに感染していても検査で陽性を検出できないので、検査の意味がないからです。
その後も自治体による自主検査等は行われており、2013年に厚労省が全頭検査の見直しを要請するまで、誤解に基づいた消費者の安心のための検査が続けられました。
2017年、健康牛に対するBSE検査は廃止されました。