残留農薬検査室
農産食品の残留農薬検査
どんな検査をしているの?
環境保健研究所における食品の理化学検査としては、食品の成分規格(牛乳の脂肪分・酸度等や魚介類中のPCB・総水銀、清涼飲料水中のヒ素・カドミウム・鉛等の有害汚染物質など)、加工食品中の食品添加物、ポジティブリスト制度に基づく野菜・果実中の残留農薬、食肉類中の残留動物用医薬品や残留農薬、養殖魚・鶏卵・生乳等の残留動物用医薬品の検査などを実施しています。
検査をする際の問題点はないの?
本来、有害物質や残留農薬・食品添加物等は、それぞれの食品において検査対象の物質ごとに個別に検査を行います。しかし、その方法だと非常に効率が悪く、食品を検査するのに膨大な費用や時間がかかってしまいます。食品の安全性を確認する方法としては、問題も含んでいました。
問題点を解決するためにどうしているの?
食品の安全性を確保するために必要なことは、より多くの有害物質等を検査し、より早くその結果を出すということです。そのために、多くの物質を同時に検査でき、しかも迅速に結果が出せる一斉分析法又はスクリーニング法を使って調査を行っています。また、その方法をさらに改良するための調査・研究を行い食品の安全性の確保に努めています。
その結果、どんな効果があるの?
この迅速一斉分析法及びスクリーニング法によって、多くの有害物質等について、よりはやく結果を出すことが可能となりました。その結果に基づいて、行政がすばやい対応をとることが可能になり、流通しているより多くの食品の安全性を確保することができます。
たとえば…
環境保健研究所では平成17年5月に鮮魚から総水銀及びメチル水銀、平成17年7月に煮干から表示されていない酸化防止剤、平成18年1月にサラダ菜から基準を超える農薬のクロロタロニルが検出され、その結果を受けて各行政機関での検査を厳しくするなどの措置をとることにつながりました。
ポジティブリスト制度って?
平成18年5月29日から食品中に残留する農薬等の規格基準が「ポジティブリスト制度」に移行しました。
ポジティブリスト制度(農薬等の残留基準一覧表)とは、食品衛生法の改正にともない、いままで規制が困難であった残留基準が定まっていない全ての食品についても、一律基準を適用し監視及び規制しようというものです。
当初799種類の農薬、動物医薬品、飼料添加物が規制対象物質とし基準値が設定され、生鮮食品および加工食品を含むすべての食品が規制対象食品となりました。
参考・ポジティブリスト制度について(厚生労働省のサイト)