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9月

2010/09/01

~日本の 伝統・行事 紹介~

◆秋分の日◆

 昼夜が同じ長さの日。今年は、9月23日です。
 先祖を供養する日で、おはぎやのり巻、いなり寿司などを供えます。前後三日間を含めた一週間を彼岸といい、日本特有の信仰で、他の仏教国にはありません。
 また、この時期になると田んぼのあぜ道や山際、河原などに赤い「彼岸花」が咲きます。まとまって自生していることが多く、真っ赤に染まるような景色になります。彼岸に開花するので「彼岸花」という名前になりました。
 供える「おはぎ」は、軽くつぶしたご飯を小豆で包みます。小豆は邪気を払うといわれる食べ物なので、先祖の供養とつながり、小豆を使った「おはぎ」を彼岸に食べるようになったようです。秋は「おはぎ」、春は「ぼたもち」と同じものでも、季節の花を意識した名前がついています。
 また、昔は、越冬した小豆を使う春の「ぼたもち」は、小豆の皮が固いため「こしあん」にしたようです。そのため、「ぼたもち」は「こしあん」、「おはぎ」は「つぶあん」にしていました。
 今では、白ゴマ、黒ゴマ、きな粉、青のりなどをまぶしたものも店頭に並んでいて、「おはぎ」の種類が増えています。それぞれに、香りや味、食感に違いがあり、おはぎを食べる楽しみが増えますね。

                     

◆お月見◆

 昔から夜空がきれいに見え、月見の好時期とされ、詩歌や俳句に詠まれてきました。団子や里芋、栗、すすきなど収穫したものを供え、十五夜の満月を見ながら秋の収穫に感謝します。
 もとは、中国の習慣が日本に伝来し、日本で畑作物の収穫を祝う行事に変化しました。
 今年の十五夜は「9月22日(火)」。昔は、十五夜に月見をしたら、約一ヶ月後の十三夜にも必ず月見をするとされていました。十五夜だけでは、「片月見」と忌(い)まれていたようです。十三夜は「豆名月」「栗名月」といわれ、枝豆や栗を供えます。
 お供えの月見団子は、静岡市では、まん丸の団子ではなく、真ん中がへこんだ「へそもち」という団子を飾ります。くぼんだ部分に小豆あんをのせて食べます。
 「へそもち」は、徳川家康が竹千代時代に人質として静岡に来た際に、竹千代が丈夫に育つようにと願った家臣が、体の中心にある「へそ」に見立てた団子を作ったのが由来のようです。


            
 

 月見にちなんだ食べ物もあります。「月見そば(うどん)」。そば(うどん)の上に、群雲(むらくも)に見立てた「のり」をのせ、生卵を割りいれ、薬味を添えます。建物の間から垣間見る今日の月とは違い、昔は、料理で表現したくなるほど素敵な景色が広がっていたのでしょう。

 

~静岡市 旬の食材 紹介~

◆米~こめ~◆

   旬 →9月頃から新米が出始める
   産地→静岡市内
       静岡では、「コシヒカリ」「キヌヒカリ」「あいちのかおり」など、いろいろな品種が栽培されている

 日本の食文化の源。いろいろな味の料理と合うので、主食として最適。
 主成分はデンプン。体内で分解されて「ブドウ糖」になり、体や脳が働くためのエネルギーになります。脳や神経では、エネルギーとして利用できるのは「ブドウ糖」だけです。エネルギーが不足している朝は、たくさんの「ブドウ糖」が補給できる米(ごはん)を食べると元気が出ます。
 ブドウ糖以外にも、ビタミンB群、食物繊維、ミネラルなどを含みますが、これらは「ぬか」の部分に多いので、精白度の低く、玄米に近いもののほうが多く含まれます。しかし、玄米は白米に比べ消化が悪いのでよく噛んで食べましょう。
 ごはんは太ると思っていませんか?ごはんが直接「太る」ことにつながるわけではありません。食べ過ぎが原因なので、食べる量に注意すれば問題はありません。また、日本人は食べ物が胃の中を満たすことで満腹感を感じます。ご飯を食べることで、胃の中が満たされ満腹感を感じやすくなり、食物量が増えることでお通じもよくなります。
 日本人が昔から食べている「米」は、日本人の体にあった食べ物なので、毎日食べたいですね。

◆米粉~こめこ~◆

 米を製粉したものですが、昔から和菓子の材料として使われてきました。
 「上新粉」「白玉粉」「道明寺粉」という名前を聞いたことがありますか?「上新粉」は、うるち米(主食として食べる米)から作ります。「白玉粉・道明寺粉」は、もち米(赤飯や餅を作る米)から作ります。
 最近、話題の「米粉」では、パンやケーキ、麺を作ります。この米粉はうるち米から作り、上新粉よりも細かく挽いてあります。米を挽いただけの「米粉」と、パンや麺を作る「グルテン入り米粉」があり、料理によって使い分けます。
 米粉は、小麦粉よりも吸油量が少ないので、天ぷらや唐揚げの衣に使うと、サッパリした味で冷めてもサクサク感が残ります。

◆いちじく~無花果~◆

   旬 →晩夏~秋
  産地→葵区古庄、駿河区小坂、清水区

 いちじくは、アダムとイブの時代から登場する古くからある果物で「知恵の木の実」とされ、中国では漢方にも使われ「不老長寿の木の実」と言われています。日本へは、江戸時代に伝わりました。
 花が咲かずに実がなるように見えることから「無花果」と漢字で書きますが、食用とする部分は「果実」ではなく、「花のう(かのう)」といい、「花のう」の内側のプチプチしたのもが花です。
 いちじくには、栄養素を分解する酵素というものが含まれています。たんぱく質を分解するフィシンや脂肪を分解するリパーゼ、デンプンを分解するアミラーゼを含んでいるので消化がよい果物です。食後のデザートや料理に使い食べると、いっしょに食べたものも消化しやすくなるので胃の負担を和らげます。
 また、食物繊維のペクチンを多く含んでいるので、整腸作用があります。
 そのまま食べるだけでなく、生ハムをのせて前菜や野菜とあわせてサラダに、チーズといっしょにパンにのせたりと料理にも使えます。また、ジャムやコンポートにすると保存ができます。

            

 

~食と健康の ひとこと~

 9月1~30日の1ヶ月間は、生活習慣病の発症や進行を防ぐため、食生活改善普及運動を展開しています。
 生活習慣病は、食事と運動が大きく関係しています。食べ過ぎと運動不足が重なると、体重が増え脂肪も増えます。運動不足から筋肉が衰え、血管も弱くなり、弱くなった血管には、血圧が高くかかります。体重増加と筋肉の衰えから、さらに身体を動かすことが面倒になります。と、このように悪循環が生じて、生活習慣病へと進んでいきます。
 この機会に、生活習慣や食生活を見直してみませんか?

①適正体重を計算してみましょう

  適正体重=身長(m)×身長(m)×22
  (例) 身長155cmの人は・・・1.55×1.55×22=52.855
       適正体重は 約53kg です

②BMI(体格指数)を出してみましょう(肥満の程度を示す指数)

  BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
  (例) 身長155cm、体重49kgの人は・・・49÷1.55÷1.55=20.3954
       BMI(体格指数)は 20.4 です

③BMI(体格指数)から、自分の体格を確認してみましょう

     BMI(体格指数)       区分
       18.5未満       低体重
    18.5以上25未満          普通体重
     25以上30未満      肥満(1度)
     30以上35未満      肥満(2度)
     35以上40未満      肥満(3度)
       40以上         肥満(4度)

      ②の(例)は 普通体重 になります