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静岡市食品表示モニター活動 最終報告

2019/05/23

静岡市では、食品表示の適正化と消費者の食品表示に対する理解促進を目的として、静岡市食品表示モニター制度による市内流通食品の表示の調査を実施してきました。

 

平成18年度からこの制度を開始し、モニターとして活動していただいた皆様のご協力を得て、昨年度までに11万件を超える表示について調査をおこなうことができました。

 

 

モニター制度を実施する間にも、食品表示を取り巻く状況は次第に変化していきました。中でも、食品衛生法、JAS法および健康増進法の3法で定められていた表示のルールを1つにまとめた「食品表示法」の施行は大きな変更となりました。

 

食品表示法が施行された平成27年度前後のモニター活動について調査結果を振り返ると、不適正な表示は全体の0.3%程度でした。

 

 

そのうち、必要な表示項目が漏れていた事例が6割、文字がかすれているなどの不明瞭な表示になっていた事例が3割を占めました。

不適正と判断された事例のほとんどは基本的な表示事項(横断的義務表示)に関するものでしたが、食品の特性に応じて必要とされる表示(個別的義務表示)に関するものもありました。

 

 

    <不適正表示の事例>

横断的義務表示 個別的義務表示

・生鮮食品の原産地記載漏れ

・割引シールが表示を隠している

・アレルゲンの記載漏れ

・文字のポイント数が小さい など61件

・生食用食品の記載漏れ

・中心部まで加熱処理した旨の記載漏れ

              など3件

 

不適正な表示の指導対象となった施設は、スーパーマーケットと製造小売店が9割を占めていました。これは、モニターが買い物をする場所のほとんどがスーパーマーケットなどの小売店舗だったためだと考えられますが、スーパーマーケットなどの小売り店舗では多品目を扱っており、それぞれに合わせた表示をしなければならないため、ミスが起きやすかった可能性もあります。

 

モニター活動終了後には、参加していただいた皆様にアンケートにご協力いただきました。約9割の方が、「モニター活動をとおして食品表示をよく見るようになった」と回答しており、食品表示への関心の高まりがあったことがうかがえました。自由記載意見では、「友人や家族と食品表示の話をするようになった」との回答があり、モニター活動をしたご自身だけでなく、周囲にも表示の話題を広げていただいたようでした。

 

 

モニター活動を通して、多くの不適正な食品表示を指導することができました。その中には、販売店で表示の上に割引シールを貼付してしまうような事例もあり、製造者だけでなく、販売店舗に対する指導の重要性を再確認しました。また、消費者ひとりひとりが食品表示の知識を身に着けることで表示への関心が高まり、消費者同士や事業者・行政とのコミュニケーションが活発になっていく可能性が示唆されました。

 

今後も静岡市では、食品表示に興味を持ち、知識を持った消費者が増えるような事業を実施していきます。そして、消費者、事業者および行政との食の安心・安全に関する意見交換の機会が増えていくことを期待したいと思います。