2010/02/04
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「食の安全フォーラム『メディアに惑わされない食生活』」が1月30日、静岡市葵区のアイセル21において、静岡市、静岡市食協、コープしずおかの共催で開催されました。
土曜日日中の開催でしたが託児サービスもあり、お子さんを預けて聞きに来られた若いお父さんお母さんの姿もありました。
第1部では、「フードファディズム~メディアに惑わされない食生活~」と題して、群馬大学教育学部の高橋久仁子教授が講演されました。
「○○を食べると痩せられる」や、「△△を食べると体に悪い」などの情報が、テレビや新聞などで毎日のように発信されています。また、それらの情報が口コミで広がり、ときには特定の食品が売り切れになったり、大して害のないものが毛嫌いされたりします。
こうした食品の効果や害に対して過剰評価・過剰反応することを「フードファディズム」といいます。高橋教授は日本におけるこの分野での第一人者です。
寒天や白いんげん、バナナなど、メディアで話題になった食品について、科学的なデータから、本当のところはどうだったのかを解説。メディアで取り上げられなかった情報を合わせると、どれも一部のデータを拡大解釈して「体にいい」情報を作っていたことがわかりました。
「体にいいもの」を次々に食べたら健康的な食生活とは程遠いものになってしまう話や、健康食品の「行間を読ませる」巧妙な広告の手口など、軽妙な語り口で分かりやすく聞かせてくださいました。
最後に、栄養学の観点からみた、健康的な食生活の実践についてお話されました。
第2部では、「あふれる食情報との付き合い方」というテーマで、静岡県大の木苗直秀学長をコーディネーターに、マスコミ関係者、消費者らがパネルディスカッションを行いました。
しずおか市消費者協会の渡邉有理会長は、消費者のひとりとして、自身もメディアの情報に心動かされてしまうことがあるとお話しされ、あやしい情報に惑わされない自立した消費者になるために大いに勉強しようと呼びかけました。
コープしずおかの本杉信雄組織・管理本部長からはコープの食品表示、情報提供の方針や、安全確保の体制についてお話をいただきました。正しい情報に向き合うことについて、消費者の視点、事業者の視点を両立させることの難しさも語っていただきました。
フリーアナウンサーの寺田繭子さんからは、「情報を売らなければならない」メディアの事情や、ラジオショッピングの裏話など、情報発信の現場からのお話が出て、会場は盛り上がりました。
東京新聞記者であり、「市民メディア」の普及活動を行っている鈴木賀津彦さんからは、信頼性を確保するための記事を書くときの自主規制や、マスメディアの「有用情報の発信源」としての取り組みについてのお話がありました。 また、テレビや新聞などのマスメディアだけでなく、市民一人ひとりが情報を発信、拡散させる「メディア」であること、自身で情報を読み取り、判断する「メディアリテラシー」の大切さについて語っておられました。
事前に配られた「意見交換シート」で、会場からも多くの意見・質問が出され、活発なディスカッションが行われました。
参加者アンケートでは、ほとんどの方から「満足した」とお答えいただきました。
このフォーラムが、「安全・安心な食生活とは」を考える上でみなさんの参考になれば幸いです。
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