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BSE(いわゆる狂牛病)は全頭検査すれば安全なの?

2009/04/20

 BSEにかかった牛を食べることは「クロイツフェルト・ヤコブ病」という脳がスポンジ状になる病気の原因になると考えられています。

 食品安全委員会のリスク評価では、日本国内において、BSE感染牛が原因でヤコブ病にかかる危険性は、「無視できる~非常に低い」とされています。

 しかし、この評価は、全頭検査のおかげではありません。

 BSEのリスクが非常に低いのは、以下のような理由によります。

  • BSEやヤコブ病の病原体である「変異プリオン」は、牛とヒトなど種の違う動物の間では感染しにくいので、もともとリスクは低い
  • 変異プリオンはその99%以上が体の特定の場所(これを「特定危険部位」といいます)に集中しているので、これを取ってしまえば残りは食べてもまず問題はない(フグが毒のある部分を除いて食べるのと同じ)
  • 牛にBSEが広まる原因となったと考えられる肉骨粉の飼料への使用が2001年に禁止され、新しくBSEに感染する牛が出てくる可能性が非常に低い(2002年2月以降に生まれた牛では見つかっていない)

 現在、BSEのリスクを減らす対策として重要視されているのは特定危険部位の完全な除去と飼料の規制です。

 そもそも全頭検査を行ったのはどのくらいの牛がBSEに感染しているのかを把握するためで、それが安全確保のためだと政治家や消費者に誤解され、現在に至っています。

 国では2005年に検査対象を21か月齢以上に改めましたが、これは若い牛はたとえBSEに感染していても検査で陽性を検出できないので、検査の意味がないからです。

 2009年現在、全ての自治体では全頭検査が続けられていますが、これは安全確保のためではなく、誤解が根強く残る消費者の安心のためであるといえます。