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30秒で分かる!食中毒紹介

黄色ブドウ球菌食中毒(食中毒は防げる!)

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原因菌 Staphylococcus aureus
特徴
  • 食品中で増殖する際に、毒素をつくる。
  • 毒素は、加熱しても壊れない。
症状
  • 30分~6時間後に、吐き気、嘔吐、腹痛など
典型事例
  1. 広く環境中に分布し、健康な人の鼻腔、咽頭、腸管等にも生息(保菌率は約40%)。とくに化膿創に多い。
  2. 手指や食材を介して食品を汚染。
  3. 食品中で増殖し、毒素(エンテロトキシン)を産生する。
  4. 毒素を含む食品を食べると、発症する。
  5. にぎりめし、寿司、肉・卵・乳などの調理加工品が原因となることが多い。
予防法
  • 手洗いを徹底する。
  • 手指に傷がある人は特に注意
  • 食品は冷蔵保管を徹底する。
たべしず動画
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カンピロバクター食中毒(食中毒は防げる!)

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原因菌 Campylobacter jejuni/coli
特徴
  • 鶏肉が原因となることが多い。
症状
  • 食後、2~7日で下痢、腹痛、発熱等。
  • 手足の筋力低下や神経症状を呈するギラン・バレー症候群との関連性が指摘されている。
典型事例

パターン1:鶏肉などの食材を生のまま、又は加熱不十分で喫食

パターン2:汚染された食材(鶏肉など)から、サラダや調理後の食品などへ汚染を広げてしまう。

パターン3:汚染された井戸水や沢水が原因となることもある。

予防法
  • 生や加熱不十分な食肉を食べない。
  • 器具等の洗浄消毒を徹底する。
  • 生肉の保管の際に、ほかの食材への汚染に注意する。
たべしず動画
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ノロウイルス食中毒(食中毒を防ぐのは難しい!)

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原因物質 Norovirus(カリシウイルス科(Family Caliciviridae)ノロウイルス属(Genus Norovirus))
特徴
  • 調理する人が食品を汚染して発生することが多い。
  • 消毒用アルコールが効きづらい。
症状
  • 食後24~48時間くらいで吐き気、嘔吐、下痢など
典型事例
  1. ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行
  2. 調理従事者がトイレを利用した際などに手が汚染される。
  3. 調理従事者の汚染された手などを介して食品を汚染する
予防法
  • 調理する人の健康管理
  • 手洗いの徹底
  • 調理器具の洗浄消毒
たべしず動画
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腸管出血性大腸菌食中毒(食中毒は恐ろしい!)

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原因菌

Enterohemorrhagic Escherichia coli ; EHEC

O157がもっとも多く、O26とO111がそれに次ぐ。

特徴
  • 毒力の強いベロ毒素(志賀毒素群毒素)を出し、溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)等の合併症を引き起こす。

症状

  • 食後4~8日で、激しい腹痛、下痢、血便など。
  • HUS、または脳症などの重症な合併症が発症する。最悪の場合、に至る。
典型事例
  • 牛などの腸管に生息し、井戸水、河川泥、ハエなどからも分離される。

パターン1(食肉)

  1. 食肉処理の過程で、食肉が汚染される。
  2. 食肉を生のまま、又は加熱不十分で食べることで発症する。

パターン2(野菜)

  1. 野菜や果物(レタス、アルファルファ、ほうれん草、ア ップルジュース、メロンなど)が汚染される。
  2. 汚染された食品を生、または加熱不十分で喫食する。
予防法
  • 生野菜はよく洗う(必要に応じて、消毒)
  • 生や加熱不十分な食肉を食べない。
  • 手洗いを徹底する。

※人から人へも感染します。感染が疑われる場合は、トイレや風呂を介した感染にご注意ください。

たべしず動画
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セレウス菌食中毒(加熱だけでは防げない!)

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原因菌 Bacillus cereus
特徴
  • 嘔吐型と下痢型の発生パターンがある。
  • 芽胞を作り、加熱に耐える。
症状
  • 30分~6時間後に、吐き気、嘔吐、腹痛など(嘔吐型)
  • 8~16時間後に、水様性下痢など(下痢型)
典型事例

日本では、ほとんどが嘔吐型

  1. 環境中に広く分布しており、農産物、水産物及び畜産物などを汚染する。
  2. 芽胞を作り、加熱調理に耐える。
  3. 加熱後、食品の保管中に増殖し、毒素(嘔吐毒:セレウリド)を産生する。
  4. チャーハン、ピラフ、スパゲッティなどの穀類が原因となることが多い。
予防法
  • 加熱調理後、速やかに食べる。
  • 温度管理(保管時は55度以上又は8℃以下)を徹底する。
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サルモネラ属菌食中毒(食中毒は防げる!)

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原因菌 Salmonella spp.
特徴
  • 肉や卵が関係した食中毒が多い
症状
  • 食後、6~72時間後に、腹痛、下痢、嘔吐、発熱など
典型事例

パターン1:汚染された鶏肉や卵などを生のまま、又は加熱不十分で食べる。

パターン2:汚染された食材又はネズミやカメなどの動物から手を介して食品を汚染する。

予防法
  • 手や調理器具の洗浄消毒
  • 加熱の徹底(75℃、1分間以上)
  • 食品の冷蔵保管の徹底
  • 卵は新鮮なものを購入し、購入後は冷蔵保管
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ボツリヌス菌食中毒(食中毒は恐ろしい!)

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原因菌 Clostridium botulinum
特徴
  • 空気がない状態で保存された食品中で増殖し、毒素をつくる。
  • 芽胞を作り、加熱に耐える。
症状
  • 食後8~36時間で嘔吐、視力障害、呼吸困難、最悪の場合、に至る。
典型事例

パターン1(1歳以上の場合の事例)

  1. 土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している嫌気性菌で、熱に強い芽胞を形成する。
  2. 調理・製造された食品がビン詰、 缶詰、容器包装詰め食品、保存食品などとして密封包装される(空気がない状態で保存)。
  3. 温度管理の不備により、食品中で芽胞が発芽し、毒素を産生する。

パターン2(1歳未満の事例)

  1. はちみつ、自家製スープなど、芽胞に汚染された食品を離乳食などとして接種
  2. 腸管内で菌が増殖し、 毒素を産生する。
  3. 症状は、便秘状態ののち、全身の筋力が低下、 哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉弛緩による麻痺症状
予防法
  • 容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)や缶詰は、 120℃4分間以上の加熱が行われているので、常温保存可能
  • 上記以外の食品は、冷蔵保管する。
  • 真空パックや缶詰が膨張していたり、異臭(酪酸臭)があるときには絶対に食べない。
  • 1歳未満の乳児には、芽胞に汚染される可能性のある蜂蜜等を食べさせないようにする。(焼き菓子なども注意)
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ウェルシュ菌食中毒(加熱だけでは防げない!)

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原因菌 Clostridium perfringens
特徴
  • 芽胞を作り、加熱に耐える。
  • 加熱後のカレーやシチューなどの食品中で増殖する。
症状
  • 食後8~20時間くらいで腹痛や下痢など
典型事例
  1. ヒトや動物の腸管内、土壌、下水、 食品中など自然界に広く分布
  2. 加熱調理した際に、芽胞として生き残る。
  3. 食品の保管時に芽胞が発芽し、菌が増殖する。
  4. カレーやシチューなど、大量調理をする機会が多く、粘度が高い食品(内部が空気に触れない)が原因となりやすい。
予防法
  • 加熱調理品は、早く食べる。
  • 保管時は冷蔵保管を徹底
  • 保管後は、再加熱を徹底
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クドア・セプテンプンクタータ食中毒(ヒラメのクドア)

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原因物質 Kudoa septempunctata
特徴
  • ヒラメの寄生虫(人には寄生しない)。
  • 目に見えない大きさ(約10μm)。
症状
  • 食後、2~20時間で一過性の下痢・嘔吐
典型事例
  1. 汚染されたヒラメを生のまま、又は冷凍せずに食べる。
予防法
  • ヒラメは、-20℃で4時間以上の冷凍、または、中心温度75℃5分以上加熱する。
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クドア・イワタイ食中毒(病原性が解明されていない謎の食中毒)

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原因物質(疑)

Kudoa iwatai

特徴
  • さまざまな魚に寄生する。
  • 目視できるシストをつくる。
  • 病原性が証明されていない。
症状
  • 食後、6~9時間程度で下痢・嘔吐
典型事例
  1. 調理中に魚の身にあるシストを見逃す。
  2. 生のまま、又は冷凍せずに食べる。
予防法
  • 目視を徹底し、シストがある魚を生食しない。
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ヒスタミン食中毒(みんなで防ぐ!食中毒)

 

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原因物質

ヒスタミン(histamine)

特徴
  • ヒスタミンが高濃度に蓄積された魚及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒
  • ヒスチジンを多く含む魚介類の温度管理を誤ると、ヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成される。
  • 生成されたヒスタミンは、加熱しても壊れません。
症状
  • 食後数分~30 分位で、顔面、特に口の周りや耳たぶが 紅潮し、頭痛、じんま疹、発熱等を呈する。
典型事例
  1. 流通過程のどこかで、魚介類の温度管理不備
  2. 調理された魚介類を食べると発症する。
  3. 感受性が高い乳幼児の事例が多い。
予防法
  • すべての流通過程において、温度管理を徹底する。
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