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掲示板:「静岡市食の安全・安心アクションプラン平成24年度~平成26年度」の策定について

静岡市食の安全・安心アクションプラン平成24~26年度 原案について

名前:市川 陽子日付:2011/10/24 17:06:38

まずは、このような意見交換の仕組みを作り、運営してくださる静岡市食の安全対策推進連絡会事務局に感謝申し上げます。スタッフの意気込みが伝わってまいります。本サイトについては学生にも授業を通して周知しておりますが、私も含め書き込みには不慣れなため、チェックはしていても意見投稿には至りませんでした。申し訳ありません。ただ、定着すれば、広く住民の意見収集を行うことのできる有効なツールになることと思います。今後はぜひ期限を切らずに、アクションプランへの意見にとどまらない議論の場を提供していただけますことを期待いたします。よろしくお願いいたします。

それでは以下、新しいアクションプラン原案について、気付いたことを申し述べます。

1. Ⅰ-2(3)において、給食管理・栄養管理業務担当栄養士研修会(食物アレルギー対応食用料理カード検討会)の開催目標が4回→2回になっていますが、これはすでに一定のデータが蓄積されためと理解してよろしいでしょうか。また、その2件下からの学校給食衛生責任者研修会、学校給食衛生研修会「食中毒防止講習会」、学校給食衛生責任者会の開催について、目標値が空欄になっていますが、単に日程が決まっていないということでしょうか。

2. Ⅰ-3(1)の放射性物質の食品への影響調査については、本Web会議においても高い関心が寄せられていましたが、専門知識を持たない対象に数値を示し、解説を加えるのはたいへん難しいことだと思います。私の専門分野(栄養学)でも同じですが、安全性、危険性、有効性等について数字を根拠に議論する際には、様々な条件下における複数の検討結果(学術論文)をメタアナリシス等の手法を使って総合的に判断します。それでもYes, Noの判断がつかない場合が多くあります。科学的根拠に基づいた真実を、より正確に、誤解のないように伝えようとすればするほど、説明は複雑になり(真実は複雑だからです)、一般の人にはわかりにくくなります。先日、NHKの情報番組「朝イチ」で、北海道、福島、東京(2件)、大阪、広島の6家族の食事を1週間、1日ごとに3食分すべてをホモジナイズし、精度の高い方法で放射性物質を分析していましたが、これが最も正しい調査方法だと思います。(どの食品にどの程度あるかではなく、トータルでどのくらい摂取しているかが問題です。番組中ではどの家族の食事からも微量の検出か検出せずという結果で、遠く離れた土地の食材を取り寄せなくても大丈夫という結論でした。)しかし、これでも全数調査は到底無理ですから、サンプル調査にならざるを得ません。最終的にはその数字をどう扱うかの条件設定と線引きが、行政の仕事ということになるのでしょう。

3. Ⅰ-3(4)の事業者、消費者に対する飲食危害に関する情報提供については、ユッケ事件の記憶の新しいうちに徹底的な啓発を行うことが必要だと思います。民放の情報番組で、「規制が厳しすぎて食文化が守れない」という意のコメントを聴きましたが、生命と引き換えにして守るべき食文化などあり得ません。生肉の場合、完全に安全にして食すためにはコストがかかることを消費者が理解し、どうしても食べたければお金をかけなければならないという知識と意識を定着させなければならないと考えます。

4. Ⅱ-5(1)食育普及啓発事業に関する今年度の計画はどのようになっていますか。

5. Ⅱ-2(1)、Ⅱ-3、Ⅱ-5など、全体的に生涯学習や市民講座、講習会を利用した啓発活動が多くなっています。これらの参加者は、すでに意識、コンプライアンスの高い人達です。食育、衛生教育等を通じて住民の意識の底上げを図る工夫が必要な時に来ていると考えます。例えばリーフレット等の配置場所は妥当でしょうか。朝からパチンコ店の前に並んでいる人達にも読んでもらえる状況にあるでしょうか。

6. 最後に、災害時用備蓄食料の管理、発災後の食料等の流通・配布、避難所での栄養問題対策に関する項目がまったくありませんが、準備は万全でしょうか。現在のマニュアル(ガイドライン)の見直しはされていますか。他部局の担当かも知れませんが、少なくとも非常時は連携を取る必要があると思いますので、早急にご検討いただきたいと思います。

以上です。よろしくお願いいたします。