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BSE(牛海綿状脳症)(びーえすいー(うしかいめんじょうのうしょう))

 BSEは、1986年に英国で初めて確認された牛の病気で、TSE(伝達性海綿状脳症)のひとつです。BSEにかかった牛の脳組織は空胞化し、海綿状(スポンジ状)になることから、牛海綿状脳症と名付けられました。牛がこの病気に感染すると、おおむね2~8年(通常2~5年)の潜伏期間の後、発病し、行動異常、運動失調などの症状を示すようになり、死に至ると考えられています。
 病原体はプリオンというたんぱく質が変異したもので、ヒトの海綿状脳症であるクロイツフェルト・ヤコブ病も同じく変異プリオンによるものです。
 BSE感染牛の変異型プリオンをヒトが食べることで、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性があるといわれています。

 BSEにかかった牛の肉骨粉を飼料として他の牛に食べさせたことが日本での発生につながったと考えられており、現在では飼料への肉骨粉の使用が禁止され、BSEの新たな発生は将来的にはほぼゼロになるといわれています。
 変異型プリオンが蓄積される部位は脳脊髄、眼球など特定されており、その部分を取り除けばたとえBSEにかかった牛を食べても問題はないといわれています(フグと同じです)。
 しかし、このことは消費者の間ではあまり認識されておらず、不安の解消のために食肉に供する牛の全頭検査が続けられているのが現状です。