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有機栽培や無農薬野菜は安全なの?

2009/04/01

 有機栽培や無農薬栽培の野菜は、そうでない野菜よりも安全性が高いと思われがちですが、そんなことはありません。

 有機肥料の中には堆肥のように動物のフンを原料としているものもありますが、例えば牛のフンの中には食中毒を起こす病原性大腸菌O-157サルモネラなどの細菌が含まれていることがあります。発酵処理が十分でないと、こうした細菌が殺菌されずに残っており、野菜からこれらの細菌に感染する可能性があります。自家菜園などで畜産農家等から堆肥をもらって使用する場合は特に注意が必要です。生では食べず、加熱した方がよいでしょう(市場に流通している有機肥料は十分に発酵処理されているので問題はないと考えられます)。

 また、農薬の発達によって感染が抑えられてきた寄生虫も、近年都市部で感染者が見つかり、有機栽培や無農薬栽培の野菜が原因である可能性が指摘されています。

 一方、すべての農薬には十分な安全性を見込んだ使用基準があり、それが守られている限りは健康への悪影響はありません。

 使い方を間違えれば健康被害につながるのは、農薬も化学肥料も有機肥料も同じです。